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zoom RSS 【保守】特別展「備前刀剣王国」第二期に行ってきた

<<   作成日時 : 2015/09/20 21:17   >>

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画像備前刀剣王国の第2期が始まったので連休を利用して行ってきた。
あと2回くらいは通いたいところであるが、10月が多忙なのでこのシルバーウィークの鑑賞で打ち止めになりそうである。

今回は兼光以降末備前までが展示対象期間だが、事前に言及があったとはいえ、小反り物が展示品の1/3を占めていることに驚いた(従前の扱いから考えたら応永備前や末備前が割を食っているかもしれない)。
動乱の南北朝期に様々な流派が存在した中で、長船正系や長義、元重といった著名刀工ではなく、畠田派などの名のある流派でもなく、あまり顧みられることのなかった小反り物をクローズアップしたのは評価したい。目録も入手したが、掲載されている小反り物に関する論文にも注目したいと思う。

今回に限らず、本国物でないためにとかく軽くみられる刀工らに光を当てる最近の傾向は、今までの刀剣界のスタンスからしても良い傾向だと思う。しかし現実は、過去あまり顧みられなかったからか小反り物以外の展示品にほぼ何らかの指定があるものの、小反り物は指定品が半分もなかった。この辺はこれからフィルターかけずに再評価してほしいと思う。

以下、毎度の偏屈的鑑刀記。

◇兼光:俺っちが苦手な兼光(嫌いという意味ではなく特徴がわからないという意味)、三口飾ってあるがそれぞれ特徴的な出来だ。無銘兼光は備前伝らしい肌におとなしい互の目で匂口が締まる出来。平造と波およぎは刃縁の沸が強く相伝備前的に見えた。俺っち的には兼光の相伝備前の湾れ刃は、頂点部に角が2,3本生えているのが多いと思う。

◇長義:長義も同様の理由で苦手な刀工だ。展示の無銘長義は刃は沸えているものの肌はおとなしい。備前伝に近い出来のものということであるが、薙刀直しは完全に相伝風。これだけ作域が広いと俺っち程度は鑑定とかわかんないよね。長義の湾れ刃も頂点部に角が2,3本生えているのが多いと思っているし。

◇基光:この片落ち互の目は景光だねとか言いそう。匂口も締まり肌も綺麗で美しい一口。

◇重末:解説文にあるように肌の流れ具合が印象的。
応永杢という言葉があるように、この時代付近のものは肌が立つ傾向なのかなとは思うが、これだけ肌が顕著に流れると一瞬薬物を使った肌のような印象を持ってしまった。備前物にもそういう鍛え肌があるんだと認識。

◇次行:特に元の部分の肌の地景の変化、刃中の多彩な働き、映りの濃淡、これらの激しさはすごい。

◇秀光:肌詰み匂口締まり上品な出来。刃はこずんでいるが複雑な刃文をしている。小反りと呼ばれる刀工の中でも第一人者の貫禄があると感じた。

◇盛光:応永備前の典型作。匂口も綺麗で見た目はつるんとした感じ。
精緻な美しさや綺麗さは感じるけど、刃中の働きとか少なく、そういった面では冷たい無感情な美女を連想する。

◇清光:皆焼ですか、細長い丁子みたいな焼刃が連なっている姿は俺っちの焔丸を思い出させる。
先のほうにはよく葉も入り、刃縁は沸がちながらも沸と匂のコラボに力があり、手に取ると刃文が楽しめそうな雰囲気がある。しかし祐定と清光の名品があんな狭いところに押し込められ展示されているとは、なんだかなあ。

全体を通したところでは、小反り物に注目した展示であったが、厳選された長船本流、応永備前、末備前の展示品がなんと力強く魅力的か、との感想を得たことである。
小反り物が悪いものとは言わないが、展示を順番に見ていると、兼光・長義・元重ら長船本流系の完成度、盛光・康光ら応永備前の典雅さ、勝光・祐定・清光ら末備前の時世の禍々しさを纏う力強さを感じてしまうと、小反り物は秀光クラスにならないと、同じ「煌めき」を抱かないのである。
小反り物はこれから再評価されるべき流派であるが、過去の人々からはそれなりの評価にとどまった理由も、多分に感覚的ではあるが、わかる気がした。


最後に、第1期を含んだ今回の特別展示について、欲をいえば、「備前刀剣王国」とまで謳うなら、小反り物だけでなく鎌倉から室町初期の諸派、つまり畠田派や直宗派、大宮派に吉井派、場合によっては宇甘派も展示してほしいとは思う(畠田守家や真守、そして我が備前三郎国宗あたりに言及すらしないのはねえ)。
仮にそうなると2期ではなく3回くらいに分けないと足りないかもしれない。

俺っちの妄想だと、
@古備前〜一文字、鎌倉期長船、鎌倉期諸派
A南北朝期長船、小反り、南北朝期諸派
B応永備前〜末備前

@の鎌倉期諸派は古備前一文字長船が充実すればAに移してもいい。
Aは諸派に着目すれば2期の応永備前末備前の展示本数くらいは揃えられると思う。
B応永備前と末備前で不足があれば石堂など流派を継いだ新刀期以降を入れてもいい。

まあ、そんなこんなで今回の展示品は1期2期とも素晴らしいものばかりだけど、少なくとも今後5年はこのレベルの特別展示はないんだから、やっぱり諸派の展示なども出来る限り考慮してほしかったなあ。

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